13-1. AIアシスタントを使った効率的なコーディング

AIアシスタントを使った効率的なコーディング

以下でRoblox開発における生成AI活用の具体例を見ていきます。なおAI活用については、現在ベータ機能のものなど、まさに開発中のものでもあり、日々アップデートされています。最新の情報を確認して利用するようにしてください。

Roblox Assistant (または Assistant)

Roblox Assistantは、Robloxが提供する対話型のAIアシスタントで、Robloxに関する様々質問に答えられるように構築されています。Roblox公式ドキュメントに基づきトレーニングされており、基本的には公式ドキュメントの内容に基づき回答されます。コーディングだけでなく以下のようなRobloxエクスペリエンス開発・運営全体に対する質問に回答が可能となっています。
  • 構築— Studio でのエクスペリエンスの作成に関する質問に答えます。
  • スクリプト— 簡単なスクリプトを生成したり、Lua コードの説明を求めたりします。
  • 成長—分析を活用して既存のエクスペリエンスを改善することに関する質問に答えます。
  • 収益化—エクスペリエンスを収益化する方法に関する質問に答えます。
本書で重要なトピックとなるコーディングに関しては、特定のコードを生成したり、既存のコードを解説したりといったことが可能で、効率的なエンジニアリングをサポートします。

AI-Powered Code Completion

Roblox Studioのベータ機能項目の中に「Code Assist Beta: AI powered code completion」という項目があり、これを有効化することで、Studio上でのScriptコーディングにおいて、AIアシストによるコード提案を利用できます。機能を有効化していれば、提案するコードブロックが生成されれば自動的に提案が表示されます。手動ショートカットで提案呼び出しも可能です。コードブロックを読み取った自動的な提案の他、コメントをもとにしたコードブロック生成も可能となっています。
上記「Assistant」でも対話によりコード生成が可能ですが、こちらでは実際にScriptを作成中にScriptウィンドウがから離れることなくより手軽にAIアシストを使えるため、コーディングに非常に有用です。

生成AIの活用効果

AIアシスタントは開発を効率的に進めるための強力なツールです。特にコーディングにおいては、以下のような活用が可能です。
  1. コードの自動生成: よくある機能やコードパターンの実装について、AIが適切なコードを自動生成し提供します。
  1. コード理解のサポート: 他人のコードや複雑なロジックを理解する際に役立つ説明を提供し、効率的な理解をサポートします。
  1. 疑問・質問の解決: 開発中の疑問や不明点に対して、ドキュメントを検索する手間を省き、直接的な回答を得られます。
これにより、開発時間が短縮できるのはもちろん、AIのコードは構文的なミスは少なく、また意図があっていれば最適なコードとなる場合が多く、安定したコード作成に寄与します。また、「Roblox Assistant」では対話サポートによりRoblox Studioからブラウザなどの別なアプリに移行することなく、Studioで問題を解決したり、質問に回答してもらうことで、環境に集中して迅速な開発が可能となります。

AIアシスタントのコーディング以外の活用

Roblox Assistantはマテリアルやテクスチャの生成もすでに可能となっており、コーディング以外のコンテンツ生成にも非常に有用です。今後は3Dオブジェクトやシーン全体の生成なども予定されています。

その他のRoblox開発に役立つAIアシスタント

また、生成AIはRoblox提供のもの以外も日々進歩しており開発において有用となります。特にコーディングにおいて有効な代表的なものをあげておきます。

ChatGPT

OpenAI社の対話型のAI言語モデルで、コーディングやロジックなどの返答に強いのが特徴的です。そのためロジックやゲーム体験創出のための相談や疑問解決に有効です。Robloxに関する質問もときにRoblox Assistant以上の内容を返答します。

GitHub Copilot

GitHub Copilotは、GitHubが開発し、OpenAIの技術を活用しているAI駆動型のコーディングアシスタントです。プログラマーがコードをより迅速に、かつ効率的に書くための支援を提供することを目的として開発されており、高い精度と速度でコードの提案を行います。非常に優秀ですが、基本的にVSCode上で利用するため、Roblox開発では外部エディタ利用環境を整えてないと使えません。