2-4. サーバーとクライアントの同期「レプリケーション」
サーバーとクライアントの同期「レプリケーション」
レプリケーションとは
レプリケーションとは、Robloxのクライアントとサーバー間でデータを同期するプロセスです。これにより、すべてのプレイヤーが一貫したエクスペリエンスの状態を体験できます。
Robloxにおいてレプリケーションは、あらかじめ自動的に行われるようになっている部分が多く、基本的にサーバーでの変化(オブジェクトの移動、パラメータの変化など)は自動的に同期されます。
サーバーからクライアントへのレプリケーション
サーバーは、エクスペリエンスの主要な状態変更を管理し、これらの変更を各クライアントに送信します。これにより、プレイヤーは常に最新の状態を見ることができます。Robloxではサーバー側の変更は基本的にすべてクライアントへ自動で同期されます。
クライアントからサーバーへのレプリケーション
クライアントからの入力やアクションもサーバーに送信することで、サーバー上でエクスペリエンスの状態を更新できます。ただし、クライアントの変更は基本は自動的にサーバーに同期はされないため、後述する明示的な同期処理や設定などが必要になることに注意が必要です。
クライアントからのレプリケーション方法
上述の通り、クライアント上の変更はそのままではサーバーやほかクライアントへ同期はされません。クライアント上の変更を反映・同期するには、主に以下の2つの手段があります。
RemoteEventとRemoteFunction
クライアントからサーバーへのデータ送信や特定のイベントのトリガーには、RemoteEventやRemoteFunctionを使用します。これにより、クライアントのアクションをサーバーに通知し、必要に応じてエクスペリエンスの状態を更新することができます。RemoteEventを用いたサーバークライアント間の通信は次章の
サーバークライアント間での連携
にて詳細を解説しています。
NetworkOwnership
主に移動や物理的な挙動の部分において、オブジェクトのネットワーク所有権(NetworkOwnership)を適切に管理することで、レプリケーションの挙動を制御できます。NetworkOwnershipがクライアントにあるオブジェクトは、そのクライアントによって制御された動きがサーバーによって他のクライアントにレプリケートされます。例えば、プレイヤーは所有権がクライアントとなっており、クライアント上の操作による変更が自動的に同期されるようになっています。
レプリケーションの注意点
レプリケーションに関しては以下のような注意点に留意する必要があります。
- パフォーマンス: 大量のデータや頻繁に変更されるオブジェクトのレプリケーションは、適切に管理しないとネットワークの負荷を増加させる可能性があるため、データの量を最小限に抑える工夫が必要です。
- セキュリティ: クライアントからのデータは信頼できないとみなし、サーバー側で検証する必要があります。
- レプリケーションの遅延: ネットワークの遅延により、クライアント間でわずかな同期の遅れが生じることがあります。これを考慮した設計が重要です。